固定価格買取制度(フィードインタリフ制度)入門


(このページは、現在は更新しておりません。歴史的経緯の確認用途で保存しています)

NEWS

・2009年11月より、固定価格買取制度の考え方を取り入れた太陽光発電の新たな買い取り制度が開始されています。
・前年度からの補助金の復活等の効果もあり、日本における太陽電池の生産量は拡大を再開しました。2010年度は250万kW以上を生産し、約6割を輸出しています。また関連産業の規模は、2010年度は1兆円を超え、さらに拡大する見込みです。
・2011年8月、衆参両院の全会一致の賛成により、「再生可能エネルギー特別措置法案」が成立しました。これに基いて2012年夏より、風力・地熱・小規模水力・バイオマスなどを助成対象に追加し、かつ余剰電力ではなく、全量を買い取る「全量買取制度」が開始される予定です。現在、詳細の検討が進められています。

概要

「固定価格買取制度」とは、再生可能エネルギー(いわゆる自然エネルギー)の普及と技術開発を促進する、助成政策の一種です(廃棄物発電やコジェネレーション等の普及にも利用されます)。英語では「フィードインタリフ制度(feed-in tariff law)」などと呼ばれ、FITと略記されます。 透明性が高く効果にも優れることから、ドイツやスペインなどを含む世界中の40以上の国や地域で広く用いられています。これまでの実績の違いから、今では再生可能エネルギーの普及を促進する方法の中で最も有効な手法とされています。

FITは下記のような仕組みの制度です。

  • 導入時点から一定期間(たとえば10〜20年間)は、電力会社への売電価格(タリフ)を保証する。一度設置された設備については、その後10年なり20年なりは電力の買い上げ価格が変わらない。
  • 設備が安くなるのに応じて新規設備のタリフを減らし、国全体の助成水準を下げていく。ただし、既に設置された設備のタリフはそのまま保証される。
設備を導入した人や企業は導入時点で初期投資回収の目処が立てやすいので、その分安心して導入できます。その一方で国全体で見れば、値下がりに応じて柔軟に助成水準を調整できる制度です。各国の実績を比較した結果から、助成額あたりの普及効果が最も高いことが知られています。

しかしながら日本ではこの制度を紹介する文献が少なく、その特徴も良く知られていませんでした。

このスライドは、フィードインタリフ制度について図解を交えながらご紹介すると共に、日本の以前の制度との違いをまとめたものです。また今後日本が取るべき方策について、櫻井の個人的見解も載せております。再生可能エネルギーの普及促進にご興味のある方にご一読頂くため、公開して参りました。

2007年12月に公開し、時々改訂しております。
更新履歴はこちら

解説スライド(PDF形式)


書籍

ここの資料をベースにして、本を書きました。導入の背景や各国での政策的工夫の実例を、成功例も失敗例も織り混ぜながら平易に解説。さらに、日本で太陽光発電やFITという道具をどう使うのが良さそうかを提言しています。

波に乗れ にっぽんの太陽電池
(日刊工業新聞社)
[bk1] [セブンアンドワイ] [Yahoo!ブックス] [amazon]
1章:再生可能エネルギーの役割
2章:太陽光発電の力
3章:ドイツの成功と各国の状況
4章:フィードインタリフの効果と導入
5章:日本を動かす太陽光発電

2009年2月に経産省が打ち出した助成形態を範疇に含む、おそらく日本唯一の解説書と思われます。

ご参考になれば幸いです。

正誤表

お恥ずかしながら初刷に数点、誤脱がみつかっております。こちらに正誤表がありますので、適宜修正頂ければ幸いです。

Q&A


省庁による検討例

導入便益などの検討が最近相次いで発表されています。
・環境省による導入費用や便益の検討例:低炭素社会づくりのためのエネルギーの低炭素化に向けた提言 (平成22年3月) (平成21年の旧版はこちら
・再生可能エネルギーを2020年までに一次エネルギー供給比10〜13%導入した場合:
・投資額:
_ ・2020年までの平均3.3〜4.4兆円/年(系統安定化費用含む)
・導入による便益:
_ ・生産誘発額:平均9.1〜12.2兆円/年、粗付加価値額:平均3.7〜4.9兆円/年、雇用創出:45.8〜62.7万人
_ ・CO2削減効果:1990年比で国全体の4.7〜6.7%
という試算結果が出ています。
.
新エネルギー部会 議事要旨など
経産省による導入費用や負担方法の検討例
太陽光発電を50数GWp導入した場合について試算されています。系統安定化費用は2030年までに約5兆円の試算となっています。
経産省:「ソーラー・システム産業戦略研究会」報告書
2020年時点での経済効果は2〜10兆円/年、雇用規模は7〜11万人と予測。

他の方々による解説資料

日本語

私のよりわかりやすいかも。

英語

いろいろと。制度的に優れてる、というのは客観的に言えてしまいます。

日本での動き、関係者の意見表明など(2009年11月頃まで)

2009.11以降はあまりにニュースが多くなってきたので、載せていません (^^; 各種ニュースサイトをご参照下さい。

民間団体による活動など


関連ドキュメント

太陽光発電につきまして、下記のような資料も作成しております。お役に立てば幸いです。 職場の解説ページもご一読頂ければ幸いです。 IEA(国際エネルギー機関)が以前にドイツのFITを批判したことがある件については、下記をご参照下さい。IEAも最近、「(日本などが採用する)グリーン電力証書に基づいた方法よりも、FITの方が優れる」と表明しています。

温暖化に関する資料

温暖化に関する情報としては、下記をおすすめしておきます:

櫻井ブログ

旧い資料


Written by: 櫻井啓一郎